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VOL.05
カエデ柄ジャカード
テキスタイルデザイン | ..... | matohu 堀畑裕之 |
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テキスタイル制作 | ..... | Cloth Japan |
素材 | ..... |
ウール 60% ポリエステル 25% レーヨン 15% |
制作ストーリー
みなさん、「カエデ」という名前の由来をご存知ですか?なんと「カエルの手」から来ているそうです。確かににていますよね。日本は多品種のカエデが自生している世界有数の国で、27種類も存在するそうです。秩父にはそのうちの21種類もあるとか。まさにカエデの宝庫ですね!
秩父のカエデ21種類の標本
さて今回はそんな天然のカエデからメープルシロップを採取し、「メープルベース」というカフェを運営している井原愛子さんと秩父の森を歩きました。
樹齢何百年のカエデの神々しさに、デザイナーも思わず感激して手を合わせたそうです。
このカエデの美しさをどうにかしてテキスタイルにしたい!そんな思いがこのテキスタイルの物語を生み出しました。
まず最初にカエデの柄を描きます。その際に堀畑がよく使う技法は、オリジナルの「カッター描法」! なんとカッターで直接描くように、図柄を切り抜きます。カッターだと葉っぱなどの鋭いラインがきれいに切り取れるそうなんです。しかも急な曲線が描けないので、その不自由さが手の個性を消して「紋様化」をしてくれるそう。なるほど!
これをさらに柄を黒くして、葉脈の線を手描きしていくと、ほんとに生き生きした葉っぱの図柄になっていきます。たしかに線がシャープで紋様的ですね。
これに様々なドングリ柄を散らして、柄のリピートをつけると原画が完成!それがこちら。
さて実際の生地にするには、糸の色を決めないといけません。今回はたて糸の黒で地の部分を、よこ糸に3色の糸で葉っぱの柄を表現します。生地屋さんにPC上のシミュレーションで、何通りも組み合わせを試してもらいます。1色糸が微妙に変わるだけで、イメージは無限に変化をしていきます。
たくさんのシミュレーションの中から今回選んだ色がこちら。これをもとに糸から染めてもらいます。美しい色へのデザイナーのこだわりが感じられますね。
そうして織り上がってきたのがこの「カエデ柄ジャカード」のテキスタイルです。ウール織物で有名な一宮産地(愛知・岐阜周辺)で織ってもらいました。
よく見ると葉っぱに3色の糸が混じり合っていのが見えますね。しかも柄の部分だけ凸状に浮き出すように加工しています。
ふんわりとしたウールの暖かみが体を包み込むような、可愛いテキスタイルが出来上がりました。しかもとても軽くて着心地も抜群!
秩父のカエデから生まれた布は、自然への感謝と祈りが込められています。