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手のひらSTORY

VOL.01

ドウダンツツジ柄の秩父銘仙

テキスタイルデザイン
matohu 堀畑裕之
テキスタイル制作
新啓織物
素材
シルク 100%

制作ストーリー

「銘仙」とは、タテ糸にプリントしてから織る「絣(かすり)」の一種です。
秩父は大正から昭和にかけて、着物地の「銘仙(めいせん)」の一大産地でした。しかしもう現在は数軒しか作っていません。

新啓織物の新井教央さんは、いまも新しい銘仙を作り続ける伝統工芸士です。今回はmatohuのために「服地のための柔らかくて軽いオリジナル銘仙」を何度も試作してくれました。糸の太さや色を変えて何種類も!

 ドウダンツツジの柄は、デザイナーの堀畑裕之が担当。手描きした木の葉の柄に、赤鉛筆でさらに紅葉を描き込みました。

 さらにこの柄の糸を8センチずらしてレイヤー(重ね)することで、より複雑な模様になります。写真の二重露光のようですね。

さらにさらに! たて糸とよこ糸の色をあえて変えることで、布が動くと玉虫色にみえるようにしています。これを「シャンブレー」と専門用語では言うそうです。

 一つのテキスタイルだけでもこんなにたくさんストーリー(やること)があるんですね! デザイナーって大変ですね(笑)

 この柄をシルクスクリーンで手刷りしていきます。新啓織物さんは、親子三人(新井さん、奥様、息子さん)で、すべての工程(染め、蒸し、織り)を自分たちだけでやっています。関連の業者が廃業して、もう分業が難しいのです。

織るときに、仮のよこ糸を指で切りながらほぐしていきます。

 最後に本当のよこ糸を織り込んだら完成です。

 秩父の風土、人、思いが折り込まれた、matohuのための新しい銘仙が誕生しました。その色や風合いをぜひ手にとってみてください。